あきた美彩館様インタビュー

週いち秋田では人の繋がりを求め更新をしておりますが、ご縁がありお会いした方のインタビュー記事を掲載させて頂いております。
品川にあるアンテナショップ「あきた美彩館」さんにお邪魔させて頂き、出店のいきさつなど、お話を聞かせて頂きました。
あきた美彩館を品川に出店するいきさつをお教え頂けますでしょうか?
・オープンしてまもなく丸12年になりますが、品川は従来から周辺のビジネス街で働くビジネスパーソン、近隣住民の買い物客で賑わっていた事に加えて、平成15年の東海道新幹線品川駅開業により、いっそう往来人口が増えたことを理由に、こちらの方に出店することにさせて頂きました。他のアンテナショップが品川に無い事はメリットとデメリットの両方あると思うのですが、新幹線も品川に止まりますし、銀座、日本橋にあるアンテナショップとは少し違う感じのイメージとして展開出来るのかな?との期待もあり展開させて頂いています。
お店を拝見して他のアンテナショップとは少し違う商品が置いてあるように思いました
が?
・他の店舗では箱物のパッケージなどを取り揃えておりますが、こちらのお店では毎日使えるような食材などを取り揃えて近隣の方々に利用して頂きやすい、地元に根付いたお店を目指しています。
こちらのお店のコンセプトは?
・「秋田を五感で感じてもらう」をコンセプトに、曲げわっぱなどの工芸品を目で見て触ってもらったり、お食事して食べて感じてもらう、またきりたんぽ鍋などの匂いも来店して頂いた方に感じてもらう、また、このお店は秋田県出身者が半分ほどいますので、基本的にはお店のスタッフとの会話などは方言を使うようにして、秋田を耳で感じて頂き懐かしさを感じてもらうことを意識しています。何を言っているかわからないですね?とか、訛ってますねとか、秋田を感じて貰って食品1つでも買って頂いて、秋田ってこういう物を食べるんだ〜なんて理解して頂いてます。あとは秋田に行ったお客様のお話などをお聞きしたりしています。他のスーパー等と決定的に違うのはお客様との対話が多い事だと思っています。食べ方がわからないとかこの食材をどう使えばいいの?とか、常連さんが多いので色々お話する中で私も秋田出身なのでやり甲斐を感じています。
日本橋や銀座のアンテナショップは高級指向な部分が立地的にあると思うのですが、こちらのお店は秋田の空気感を感じて頂いたり、良ければこちらで秋田の商品をご購入頂いたり、また秋田へ行って頂く窓口として、まさしくアンテナショップとしての役割を担うお店となっています。
開店当初と現在とでお客様の層は変わったのでしょうか?
・実は開店当初は箱物のお土産品を多く取り扱っていました。しかし割と近隣住民の来店者が多い事に気がつき、年末年始やお盆などの帰省時期には箱物のお土産品を用意させて頂くことはあるのですが、普段は日常でもすぐに使えるような一品物の食材などを多く置くようにしています。平日はビジネスで利用される方や近隣の方が多いので箱物はあまり興味を示して頂けないのですが、ちょっとだけ欲しいんだよね、というご要望もありそのような対応をさせて頂いております。また、産直の野菜を入荷しており、秋田産という事もあり大変好評なんです。野菜なども色々な野菜が入荷するので、美味しい食べ方などがわかるように、レシピやPOPを用意しています。こちらで購入するのが新鮮で安全だったり、スーパーでは並ばない様なものも置かせて頂いていますので、近隣の方のリピート利用が増えております。野菜は入荷日前日に採れた物を配送してもらっているのでスーパーで購入する物よりも鮮度も高く長持ちすると好評です。田舎仕様なので1袋あたりの個数が多く、購入して頂いている方は最初の頃は小分けに小さくならないでしょうか?とのご意見も頂いておりましたが、最近はお客様の方が鮮度がとても高いということも理解して頂いて、小分けに保存出来るからいいのよね〜なんてお言葉も頂戴する機会が増えました。私たちとしては秋田の道の駅を運営している業者さんから野菜を仕入れており、秋田の道の駅で売っている品物をサテライト店的な感覚で売っておりますので、新鮮な野菜を美味しく食べて頂けると思っております。
秋田の地元の方もこられたりするんですか?
・そうですね、いらっしゃいますね。野菜もそうなのですが秋田で売っている調味料などを買いに来て頂いたりしています。「味どうらくの里」と言う秋田ではどの家庭にもある万能つゆを、こちらで箱買いして頂いたりして「近隣のお友達などに配ってるわよ!」と言ってくださるお客様もいらっしゃいます。
東京であまり知られていない食べ物とかってありますか?
・たくさんありますよー(笑) 色いろな商品がありますが、私の地元でよく食べられている「豆富かすてら」もその一つです。木綿豆腐にたまごとお砂糖を入れてカステラの様に棒状に焼いた商品です。小さい頃から豆腐と言えば「豆富かすてら」なんですけど東京に来てみたら何処にも売ってないんですよね、それが驚きでした。他にも「とんぶり」や「じゅんさい」なんかも東京では普通に売ってないですからね。いぶりがっこも今では割と買える様になりましたが、以前は買えないんだなーなんて思っていました。「味どうらくの里」という万能つゆも、炊き込みご飯も作れるし、漬物や煮物、もちろん蕎麦やうどんもそうですけど何にでも合うんですよ。東京では売ってなくて東京の麺つゆを使っていた時期は「味どうらくの里」でないと物足りないって思っていたこともありました。
アンテナショップという立場で是非秋田で行って欲しい観光地と言えばどちらになるのでしょうか?
・そうですね、まずはメジャーなところでしょうか?桜の時期の角館や乳頭温泉、男鹿のナマハゲなども見て頂きたいですね。
こちらのお店で働いて良かったと思うことがありましたら教えてください。
・方言で話すことがお客様に喜ばれている事や、もう私も秋田を離れて時間が経っているのですが、秋田のためになっているんだな〜っていう満足感が凄いですね。以前は短期的に別の県のアンテナショップのようなところに勤めていた時期もあるのですが、前々から秋田の為に働いてみたいな〜という気持ちは少なからずありました。ちょうどそんな事を思っていた時期にこちらの店のオープンの話を聞いたのですぐに申し込みました。ただ、働いて分かった事ではありますが、私は横手の出身なので横手の事は分かる話は多いのですが、同じ秋田とは言え県北のこととか、その地域の温泉がどうのこうのと言われても正直分からない事がほとんどです。ですので、もっと秋田のことを勉強しないといけないなと常に思っています。秋田検定は取りました(笑) ただ、秋田の色々な地域のスタッフがいるのでお店としてはなんとかフォローは出来ているのではないか?とは思っております。
今後の展開としてはどのようにされていくのでしょうか?
・最近はインバウンドの外国人のお客様が増えているのでその方たちをどのように誘客するのか?というのと、立地的に水族館にこられるような若いお客様にどのように入館して頂くか?を検討して行かなければいけないなと思っております。
ありがとうございました!
品川に秋田のアンテナショップがあるとは全然知らず、しかもこの場所を何度も通っていたのに全く気付くことなく…あきた美彩館様のインタビューをお聞きして、お店のコンセプトも箱物主体のお土産感よりは実生活でよく使いたいと思う商品がかなり揃っているので普段のお買い物でも魅力的だなと思いました。
そしてお店で働いていらっしゃる方の秋田愛の強さを本当に思い知らされました。目で見て耳で感じるという事の大切さ、お邪魔させて頂いて益々秋田に魅力が出てきたのは言うまでもありません。秋田の方言を使って話していらっしゃるのもお聞きして東京に居ながらにして秋田を感じられるのは素敵だな〜と思いました。
そしてこのインタビュー以降、何度か買い物もさせて頂きました。その際には興味のあった品物に対して質問もさせ頂きとても丁寧にご対応頂いたのですが、ここがこちらのお店のファン、リピーターのお客様が多い理由の1つというのを肌で実感できました。
豆富カステラ、美味しいです。是非皆様も食べてみてください。
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