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EXest株式会社 中林様インタビュー

週いち秋田では人との繋がりを求め更新をしておりますが、ご縁がありお会いした方のインタビュー記事を掲載させて頂いております。

どうもこんにちは、西谷です。
もう、2月になってしまい時間の流れに押し潰されそうです。
という、僕のやわなハートは置いておきまして、今回は真面目な記事にしていきたいと思います。

この「週いち秋田」を作ってから代表のところにお問い合わせいただいたことから縁が繋がり、
今回 EXest株式会社 代表取締役CEOの中林幸宏さんにお話を伺ってきました。

 

週いち中本
Exestさんからご連絡をいただいた時が年末だったのもあり、また更に僕らのイベントが2月ということもあり、どこまでコラボレーションというか協力関係を発展させることができるか模索をしておりました。実際、どうしよう、お会いして、ちょっとだけ話を聞いてはいおしまい、というのは失礼にあたる。しかしせっかくコンタクトいただいたのだからお話を伺ってどこまで何ができるかというのを見出していこうと思い本日伺いました。

週いち田中
なんで「週いち秋田」にコンタクトを取っていただいたのでしょうか?

EXest中林
元々、僕らはガイドさんと観光客をマッチングしています。ただガイドさんって田舎に行けば行くほどいなくなるんです。そこで地元のTV局と組んでTVCMを流してそこでガイドになりたいような人を集めるという企画の皮切りが秋田県だったんです。我々も人と人を繋ぐ仕事で、それが秋田を皮切りに始まったので、秋田県にかかわる人たちに繋がり続けたいなと思って秋田のFacebookコミュニティを作っているんです。そこで一緒に何かをできる会社や個人を増やしていきたいなというところで「秋田」をキーワードに探していたら「週いち秋田」に行き当たりました。

週いち田中
では、他にも秋田関係の方々ともコンタクトとられているんでしょうか?

EXest中林
そうですね、県内の自治体はもちろんですが…この前打ち合わせしたのが、県北の方でマタギを体験できるようなホテルさんとか。このあたりの一泊単価2500円あたりなのをマタギ体験をプラスすることにより単価アップを目指しているホテルさん。

あの、マタギって実際文化を知らないと言葉を選んでしまいますが、ただの野蛮な行為のようなものに見えてしまうこともあるんですよね。「獲って毟って食う」というのをベジタリアンやヴィーガンの方々がいる中でこんな野蛮な行為をするのはどうなんだと思われてしまう。特に海外の人は背景を知らないと理解できないですから、文化として知ってもらうために発信をする。
こういったことができるのは「人」が重要になると思っています。
僕が元々TV局で働いていたのでTV局のつながりで自治体さんや観光連盟さんなどとつながって日本全国でリアルなイベントをやってガイドさんを集めているんです。

週いち田中
海外の方のリピーターを作るということもあるんでしょうか?例えば何度か日本を訪れる観光客はよりコアな場所に観光に行くと聞いています。

EXest中林
そうですね。リピーターが増えれば、ということはもちろんあるのです。ただ、リピーターと初めて日本にくる海外の方の最大の違いは「日本を知っているか、知らないか」だけなので、別に渋谷や東京タワー富士山などはただ知名度が高いから観光客が多く来るだけじゃないでしょうか。
知名度認知度が上がっていけさえすれば、ファーストトリップでも十分足を向ける対象になるのではないかと考えてガイドを増やす活動をしています。

週いち田中
面白いですねー

週いち中本
マタギのところって阿仁合とかそのあたりの地域ですよね。

EXest中林
そうですね、場所的にはそのあたりですね。

週いち中本
僕や今井は12月の半ばに田沢湖乳頭温泉に行ってきました。ただ、秋田出身の先輩に言わせると、乳頭温泉は黙っていてもお客が来るからちょっとね、なんて話もきいて。実際どんなところか行ってみようということで行ってきました。
その時に今井がマタギの文化を勉強してみたいと言っていました。

週いち田中
実際、マタギの方たちと形に残ることはできそうですか。

EXest中林
今後色々やっていきましょうという話はあるものの…秋田のDMOの方も一緒にいらっしゃったのですが、DMOとして目指しているところと、個人で宿泊業を営んでいる方たちと若干違い、我々としては個人の宿泊の方たちの方が近しい感じはしました。例えば海外のインターンとかも抱えてますしそういったところで体験してもらうことはできるなと。
実際ファムトリップとかの体験型の「意見をいただくための旅行」やってる旅行代理店さんがいますが、本質的な意見ではなくて「こんな体験いいですねー」的なポジティブな意見しか出ない。ポジティブが悪いわけでなくて、実際はどう感じているのか「本当に海外の人がきて満足できるのかどうか」そういった本質的な意見がファムトリップでは出にくくなる。本音の意見ならネガティブな意見もあってほしい。

週いち田中
あー、覆面調査みたいな感じですね。

EXest中林
そうです。ファムトリップは基本お金を出してもらって旅行をしているので厳しい意見は出にくいんです。

週いち西谷
そうですよね、来た人は「旅費出してもらってるし…」的な恩があるというか…

週いち田中
顔が見えると悪口が言えないんですよね。

EXest中林
そこら辺を含めて、我々は海外からのインターンを受け入れているので、彼らからの意見をマーケティングに生かしたいと思っています。
「何が良くて、どういったところが理解できなくて、知りたくて」といったところがリアルな意見があるといいですよね。
まあ、冬はシーズンなので宿泊予約も埋まるらしいんですけど…言い方あまり良くないかもしれないですが、地方の宿は特徴がない限り価格競争にしかならないんですよね。単純に価格競争になると部屋数が少ない個人経営の宿泊業は生き残っていけないんです。
例えば、Ⅰ2部屋しかない宿が仮に2000円で売ると、一泊24000円しか稼げないんですよ。そしてそれが30日間やるといくらになって、その営業利益はいくらかなどのことを考慮してないんですよ。現金は手にできるけどやればやるほど赤字みたいなことが起こる。
ということは、自分の宿にとって最低ラインの価格というのはどこなのかそういったことを考える余裕がない。
そこで部屋数も多くて資本もある大手さんと競争して、少ない部屋数で同じ価格でやれば戦えないということがたくさん起きている。
この良くない状況をどうかえていくかというところも、彼らとは話していきたいと考えています。

週いち田中
印刷業とおんなじ感じがします。零細企業でおじいちゃんおばあちゃんが年金暮らしでやっていて、とりあえず仕事があればいくらでもいいよ的なことをして、業界の値段がさがる。というのと同じ感じがします。
でも、価値ってあるじゃないですか、下げる必要ないのに下げてしまう。

EXest中林
そうですね、やはり価格を下げないために何をするか付加価値をつけていく手伝いがしたいです。

週いち中本
これまで秋田を知る色々な方に会って話を聞いてきたのですが、皆さん口をそろえて言うのは「秋田はブランディングが下手だ」というんですよね。とても自然も豊かだし持っている潜在的なものが高いのにそこをうまく価格に反映できていなくてもったいない感じがしますよね。

週いち西谷
あきた芸術村とか頑張っていますよね。宿泊施設やらビールやら色々手広くやっているしホームページも割としっかりしています。

週いち田中
ちなみにマタギのところは行政の補助とかあったりするんですか?

EXest中林
いえ、ちょっとそこまで把握してませんが、基本的には個人でAirbnbを使って宿泊者募ってやっているという感じです。

週いち田中
もっと行政とかがブランディングなどで関わっていけばいいのに

EXest中林
やっぱり市町村もお金が無いんですよ。そもそも源泉が税金で人口が減る中で厳しいのだと思います。
あきた芸術村のように頑張っている人達もいるのですが、点でいくら頑張っても面にならない。
色んな会社とも地方創生の話などしますが、先日聞いた大企業のやっていることは「〇〇の地域で■■をしました」的な活動が面ではなく点なんですよね。それだけの規模なら面でやらないのかとできる規模だろと(笑)
せめて継続すればいいものを期間限定でやめてしまう。企業の人に「なんでなんですか?」と聞くと、返ってくる答えは「地域のステークホルダーの人がよしとしない」という。

週いち田中
やっぱりそれになっちゃうのかー

週いち西谷
それはその企業の人が話すのが下手くそなだけなんじゃないの

週いち中本
いやいや、これはよく聞く話でかなり閉鎖的みたいです

EXest中林
それを口説くために時間と人が必要で多展開できないから面でできていない。
秋田には秋田の問題があり、他の地域にはその地域なりの問題があり、それをコンサルティングで一軒一軒入って、いくらくださいといってもそれは現実的ではないんですよね。

週いち中本
俺がやらないんだからお前もやるなという感じがすごくある場所でもあるみたいですしね。

週いち田中
メディアとかで海外発信すると勝手に来ますよね。例えば北海道のニセコ町みたいな感じですが…あんな感じで外からの人たちによって元から住んでいた人たちが良い意味で変わっていける、そんな風になったら理想的ですよね。

EXest中林
そうですよねー。英語しゃべれないとかそういったことだけで、「海外の人は呼ばなくていいです」といった感じになってしまう。
京都とかは観光客が来すぎて困っている。

週いち西谷
京都はオーバーツーリズムになってますよね。

EXest中林
秋田は全然来てないのに「来なくていい」とか言っちゃうんですよね。でも、自治体は呼びたい呼ぶべきだと、乖離している。

週いち田中
先日銀座のなまはげに行って色々な人に話を聞いてきたんですけど、海外の人がいてそこでなんでこの店に来たのか聞いたら「NHKワールドJAPAN」を見てきたと言ってました。こういったメディアの力ってすごいですよね。
マタギでもそういったメディアでやってみたらいいのにな、と思いました。

EXest中林
それもプロモーションの作り方でもあるし、あとは受け皿の問題もあると思うんですよね。

週いち中本
僕らの2月のイベントが秋田に決定した時、秋田の印刷業の偉い人たちは結構プンスカしていたみたいですよ(笑)
「なんで秋田でこんなことやるんだ」と言われたみたいですね。
何だかめんどくさいのを持ってきたなと。

週いち西谷
いやそれは、偉い人たちが他県に行けなくなったからじゃ…

週いち中本
これには続きがあるんだよ、そのあとね。僕らがナマハゲ伝道士の時に秋田魁新報に載ると、急に偉い人から「すごいことやってたんだな!」といった感じで態度が変わったみたいです。
やっぱりメディアの力はすごいですよ。

 

週いち田中
秋田のコンテンツってあまりないと思うんですけど、以外とブルーオーシャンじゃないですか

EXest中林
そうですね、秋田に限ったことじゃないですが日本全国地域ごとに知られていないものはたくさんあると思います。そういったものを知ってもらうこともできたらなと考えています。

週いち中本
御社の12月のイベントはどんなものだったのですか?

EXest中林
ガイドを我々はメディエーターと呼んでいるのですが、自分の知っている情報をどんどん外に出していくことができる人をそう呼んでいます。
情報がたくさんあふれている時代だからこそ属人的な情報が魅力になっていくというところがあると思っています。
よく言われている「モノ消費」「コト消費」とかありますけど、僕らとしては「モノ消費」や「コト消費」と言っている時点でちょっと違うなと思っています。
そもそも消費ってなんなんだという話で「費やして消す」という字ですが、やはり大事なのは消費ではなく「そこ」が始まりになって「どんどん蓄積されていくもの」「醸成されていくもの」だよねと考えています。
そこには「人」という要素が加わることで次の観光になっていくのではないか。
「人」とネットワーク或いはリレーションを作るサービスを提供したいです。
ただ、みんながみんな簡単にガイドできるのか、といったときにそういうことはないわけです。ガイドはしたくないんだけど、自分が知っている情報で他の人も楽しんでもらえたらなと思ってできる人は絶対いるはずだと、そこで秋田でイベントをやろうという着想になったのです。
ただ、東京からいきなりいってガイドさん募集とやっても集まらないので、地元のTV局さんに協力してもらってCMを作ってもらってさらに秋田市や観光連盟さんの協賛をもらってイベントを実施することになりました。
一回集まっていただいただけで終わりではなく、そこに参加していただいた方にメディエーター登録をしていただいたり、メディエーターまではちょっとという人はFacebookコミュニティでゆるく繋がり続けるということもやっています。
「ゆるく繋がり続ける」ということで言えば「週いち秋田」もFacebookコミュニティに乗っかっていただいて「ゆるく繋がり続ける」こともできるなと考えています。

週いち田中
終わったらそのあとどうなる?っていうのがあったのでそういうのっていいなと思います。

EXest中林
一過性のものってその時はすごいけど「で?」ってのありますよね。
「〇〇って番組に取り上げられました」「アプリ〇〇万ダウンロードいきました」とか「で?」となる。スパイク的にすごいことになっても、その後のことや本質的なところができているのかということが大事ですよね。
花火が上がってそのあとその分下降しては意味が無くて、いかに緩やかに下降し、次の動きまで持続させるかが重要だと考えています。その緩やかにするためのFacebookコミュニティの位置づけで、花火を上げるためのリアルなイベントなんです。なので継続的にやっていきたい。
これで何が欲しいかというとメディエーターの新規獲得です。
一方でそこでメディエーターになった人たちにTV局主導でメディエーターのための教室などもできればいいなと考えています。

週いち今井
メディエーターの人たちと御社とTV局を繋ぐコンソーシアム的なものがあるのでしょうか?

EXest中林
我々のプラットフォームである「WOW U」にTV局がコンテンツを載せる。例えば角館の武家屋敷周辺のスポットを載せる、それにマッチした動画などをTV局さんから提供していただく、それに対して「私角館案内できるんです」という人が出てくる。「人」と「動画」がWOW Uというプラットフォーム利用して海外に角館をプロモーションするといったイメージ。WOW Uというプラットフォームがあって、そこに乗っかってきた人たちで地域などを盛り上げていく。
さらにこの後の展開としては、メディエーターの中でもトップの人たちにスーパーメディエーターとなってTVに出ていただいたりして活躍してもらうと、メディエーターになるとTVにでれますよとかそういった力強いものになっていければと思っています。

週いち今井
イベントに来たメディエーターに興味ある人たちは、すでに海外とつながりを持っている人なのか、まったくそういった経験はない人たちなのか気になります。

EXest中林
接点があるかないかでいえば、無い人の方が多いです。

週いち今井
それは所謂主婦や会社員といった一般の人…

EXest中林
ただ、秋田で秋田を盛り上げていきたいといった共通したマインドがある人達ですね。そしてどうやって海外に発信していけばいいのかと思っている方たちですね。

週いち今井
自分のビジネスに活かせると思ってきている人たちはいますか。

EXest中林
活かせると思ってきている人の方が多いですね。
例えばゲストハウスのようなところを経営していて、これから海外の人たちも迎えていきたいですけどAirbnbに登録する以外でどんなことすればいいですか?的な人ですね。
起業家としてのアドバイスを求めてくる人もいます。

週いち今井
メディエーターという考え方は素晴らしいのでぜひ協力していきたいですね。

EXest中林
ありがとうございます。メディエーターって登録は無料ですし、英語で自己紹介文なんかを書いたりする勉強にもなるのでマイナスはないんです。でも登録するだけじゃプラスでもない。ガイドをして初めてお金がもらえるんですから。でも登録した人によく訊くと「実はガイドをしたいわけじゃない、いきなりガイドしてくれっていわれたらどうしよう」みたいな人もいるんです。情報だけ発信したいという人には僕らはメリットを提供できていなかったんですよ。インセンティブてきにも。
じゃあ、何かできないかなと考えたときに、情報を発信した人にWOWUポイントをあげてポイントが貯まると協賛企業の商品などとポイント交換できる。それがきっかけになって協賛企業の商品を購入する流れを作りたい。
メディエーターになってもらうためのインセンティブになればと思っています。
海外だけじゃないとも考えています。
これは先の先の話ですが…労働者不足で地方の黒字企業が倒産や廃業になっている現状にも何か提供できるのではないかと考えています。

週いち今井
軸足は海外との結節点ということですよね

EXest中林
そうですね、軸足は海外ですね
国際交流的な部分もいろいろ仕掛けていきたいと思って、次の富山・石川のイベントではシリコンバレーから人を招きます。

週いち田中
いいですね。

週いち今井
海外からの観光客と地域を繋ぐメディエーターを作る活動に我々も何かできないか…まずはメディエーター登録からですかね(笑)

週いち田中
してみようかなぁ。

週いち中本
俺も登録しようかなあ。

 

週いち西谷
ずっと気になっていたのですが御社のマネタイズのポイントはどこなんでしょうか?

EXest中林
4つありまして、
1つ目は海外の観光客の方がガイドを雇ったときに発生する手数料ですね。
2つ目はWOW Uメディア、WOW Uとしてメディアになっていく、海外の人が情報を検索してWOW Uで情報を得る広告費
3つ目は各自治体にあるTV局と連携しているので動画などをもらい、SNSなどにアップして動向を分析し、自治体がアクティビティなどを作る際にマーケティングコンサル費用をいただく
4つ目はメディエーターの能力がマチマチなので底上げするような教育事業
の4つです。

週いち西谷
ありがとうございます。うまくリンクされていてすごいと思います。

 

EXest中林
これからは秋田・青森のイベントを成功事例として次につなげていきたいと思っています。

週いち今井
我々も応援していけたらと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
今日はありがとうございました。

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西谷 毅

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